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行きかふ人も又

行きかふ人も又

札幌国際短編映画祭 

『札幌国際短編映画祭 SAPPOROショートフェスト2009』

 2009年10/14~10/18日まで、札幌では短編映画祭が開催されていました。
5日間の日程のうち、どれかひとつのプログラムでも足を運ぼうと、疲れた体をおして、夜の『ドイツショート』を観てきました。シアターキノにて。

『ドイツショート』の概要は――

 2000年~2007年に制作されたドイツ短編アニメーション映画から、ドレスデン短編・アニメーション映画祭のディレクター、ロビン・マリックさんの協力によって選出された作品を上映。
素描画や3Dコンピューター・アニメーション、フィギュアなど、様々な技法を用いた作品多数。



 夜の10時からの上映は、終電間近に終了しました。
休日だったとはいえ、眠気誘う時刻。おもしろくないものはツライ・・・。
10本ほどの短編のうち、後半の作品は目もしょぼしょぼで、ようやっと起きていた次第です。

タイトルをはじめ、一作ずつの詳しい情報がないから、監督の名前さえお伝えできないのが残念。
楽しかったのは、こんな感じ。
一作目の人形アニメーション(仮に『カーニバル』)、素描画の『線を引く』、ゴヤの版画をコラージュした『GOYA』。

一作目の人形アニメは、ドイツ表現主義の再来か?というほど、奇妙で陰鬱な世界観がありました。ドイツ古典の名作『カリガリ博士』へのオマージュでもありそう。人形の顔がホラー張りに怖いのも、ツボ。
最後のオチまで、とにかくおもしろい作品でした。

『線を引く』は、簡単な素描画で描かれるブラックな内容のアニメーション。
シンプルなモノトーンの画面に、主人公はとにかく赤い線を引きます。パンを切るにも、カップに珈琲を注ぐにも、風呂にお湯を入れるにも、なにもかも。絶対目安となる赤い線に沿って、型にはまった毎日を同じように繰り返すうち、仕舞には自分の首にまで赤い線を引いてしまい、、、チョンパ!という(笑)  ヒジョーにブラックで、シンプルながら見応えのある作品でした。

そして、一番気に入った『GOYA』。
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あまりよく知らない、スペインのこの画家のこと、すごく知りたくさせた、とびきりシュールな短編。
画像は、コラージュに使われていた版画作品を、ただ引っぱってきただけで、実際は、嫌悪に溢れた画像を繋ぎ合せて、一本の悪夢のようなフィルムに仕上げています。
いつかゴヤの作品展を観る機会があったら、ぜひ足を運ぼう!

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